Raider Island

ラスベガス・レイダーズのファンブログです。

2016 WEEK 9 Broncos 20 - 30 Raiders

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 ついにオークランドに帰ってきたサンデーナイトフットボール。昨季王者ブロンコスを迎えて、勝った方が単独首位という、実にシンプルで熱い戦いが繰り広げられました。相手の守備の要であるCBタリブが欠場するというハンデもありましたが、地上戦を完全に制して見事に勝利。シーズンの成績を7勝2敗として、AFC西地区の単独首位に立ちました。

 とにかくラン攻撃が上手くいったことが最大の勝因。熱心に補強してきたOLの強さが如実に示されました。ブロッキングが良いのでランが出て、プロテクションが良いのでパスも投げられる。やはりオフェンスの要がOLであるということを痛感しました。

 では、試合を振り返りましょう。

 

PASSING

  • QBカーはパス31回中20回成功、184ヤード、0TD、0INT、レイティング80.6。
  • パス試投31回、成功20回、獲得184ヤードはいずれも今季最小。今週はリーグ最高のパス守備を誇るブロンコス相手なので、パスが少なくなったのは仕方ない。
  • CBタリブの欠場があったとはいえ、INTを犯さなかったことは評価したい。ラン偏重のオフェンスを展開する以上、QBが試合を壊さないことは重要。
  • 反省点を挙げるとすれば、第4QのFBオラワレを狙ったパス。SウォードがINTしかけたが、ボールを落としてくれた。そもそもフリーになっていなかったので、投げるべきではなかった。
  • 試合序盤からCBロビーを狙い続けたが、これが功を奏した。14回中8回成功、99ヤード。ほぼ半分のパス成績はロビー相手に稼いだ。
  • パスラッシュが激しいこともあって、ショートパスを効果的に使えていた。10ヤード以上のパスは12回中4回しか成功しなかったが、10ヤード以内のパスは18回中16回と、ほとんど成功した。

RUSHING

  • チーム全体では、43回218ヤード(平均5.1)、3TD。今季最長の218ヤードを走って、今週の最大の勝因。
  • RBマレーは20回114ヤード(平均5.7)、3TD。ラン20回、獲得114ヤードはいずれも今季最多。1試合3TDはキャリア初。まさしくキャリア最高の試合だった。今週はタックルを5回もかわして、コンタクト後もしっかりゲインできた。
  • RBリチャードは8回62ヤード(平均7.8)。第2Qには28ヤードのロングラン。穴を抜けたあと、タックルをかわしてヤードを伸ばす好プレー。
  • Week 9終了時点では、ラッシング1,150ヤードはリーグ4位。一流のラン攻撃チームの仲間入りを果たした。
  • ここまでの選手別ラッシングヤードは、RBマレーが393ヤード、RBワシントンが302ヤード、RBリチャードが279ヤード。全員が500ヤードを超えるのも夢ではない。
  • ランをコールし続けたため、タイムポゼッションを支配できた。今週の41分28秒という攻撃時間は、OTを除けば今季リーグ最高の数字。

RECEIVING

  • WRクーパーは6回56ヤード(平均9.3)。レシーブ数、ヤードはいずれもチームトップ。うち5回のパスはCBロビーとのマッチアップを制してのレシーブ。
  • WRクラブツリーは2回27ヤード(平均13.5)。レシーブは2回しかなかったが、いずれも10ヤード以上。2回目のレシーブはこぼしかけたボールを何とか拾った技あり(?)のレシーブ。
  • 今週はレシービングヤードこそ伸びなかったものの、ロングゲインが何度も飛び出した。レシーブを記録した9人のうち7人が10ヤード以上のレシーブを記録。ロングパスは少なかったが、いつも通りレシーブ後のゲインが大きく伸びた。

OFFENSIVE LINE

  • 先発はLTペン、LGオセメレ、Cハドソン、RGジャクソン、RTハワード。
  • 許したサックは2回。1回目はRTハワードがOLBミラーに突破されてサック。敵陣6ヤードまで攻め込んでいたが、このサックでFG止まり。2回目はスクランブルがノーゲインになったもので、実質的には1回しかサックされていない。
  • とにかくランブロッキングが機能したことが何より大きい。GカークランドはPSから昇格して以来、エキストララインマンとして素晴らしい働き。ロングランが出るときは大体彼が入っている。今週は42スナップ(48%)もプレー。
  • LTペンのパスプロテクションはイマイチだったが、ランブロッキングは今季最高の出来。彼とLGオセメレ、Cハドソンが強力なため、中央から左サイドのランがよく出た。

DEFENSE

  • 先発DLはDEウォード、DTオートリー、DEマック。
  • 先発LBはSLBアービン、MLBライリー、WLBスミス。
  • 先発DBはLCBアマーソン、RCBキャリー、CBヘイデン、FSネルソン、SSジョセフ。
  • CBスミス(肩)が欠場したため、CBキャリーとCBヘイデンが先発した。だが、試合を通して出場するのは、キャリーには荷が重いことがはっきりした。スミスの早期復帰が望まれる。

AGAINST PASSING

  • QBシーミアンを相手に、パス37回中18回成功、283ヤード、2TD、1INT、レイティング81.2。
  • ヤードは稼がれたが、成功率は50%を切っていて悪くない。思えば、試合開始から7回続けてパスを失敗したところから、何かが崩れていったのかも。
  • パスラッシュがほぼ完璧な出来だった。サック2回。QBヒット5回。
  • とにかくDEマックが圧巻だった。サック2回、QBハリー8回。2回目のサックはファンブルフォース付き。しかもリカバーまでしてしまう驚異のプレー。
  • 逆サイドからのLBアービンのラッシュも光った。彼もQBハリー6回を記録。
  • 27スナップ(48%)プレーしたDTレイサムは、QBハリー3回とパスラッシュでも力を発揮した。勿論、本職のラン守備でもランストップ3回を記録している。
  • CBスミスの欠場はやはり響いた。CBヘイデンはシーズン序盤の不安を忘れさせるほどカバレッジが良くなってきているが、CBキャリーは狙われていた。前半終了間際には、3rdダウンでホールディングを犯し、FGのきっかけを作った。
  • Sネルソンは1INT、2PD。今季3個目のINTを奪ったが、INTしたのは4thダウンのパス。あまり意味のないINTで数を稼いでいる感が否めない。

AGAINST RUSHING

  • チーム全体では、ラン12回33ヤード(平均2.8)。
  • やはりRBアンダーソンの不在が大きい。RBブッカーには10回22ヤード(平均2.2)、最長でも5ヤードしか許さなかった。
  • ここまでランが出ないと、どうしてもパス偏重のオフェンスになる。これが新人QBシーミアンに厳しい状況を作り、良いパス守備にもつながった。

SPECIAL TEAMS

  • Pキングは4回169ヤード(平均42.4)。タッチバックを犯さず、20ヤード以内どころか、5ヤード以内に2回続けて落とした。50ヤード以上のパント21回、10ヤード以内のパント6回はいずれもリーグトップ。
  • KジャニコウスキーはFG 3/4、PAT 3/3。先週は50ヤード以上のFGを2回続けて外したが、今週も48ヤードのFGを外した。少し心配。
  • RBリチャードはパントリターン4回26ヤード(平均6.5)、キックオフリターン1回26ヤード、合計52ヤードをリターン。ラン、レシーブと合わせて124ヤードを稼いだ。
  • リターンのカバレッジはまずまず。試合開始のキックオフはDEN陣14ヤードからのオフェンスに抑え、良いスタートを切れた。

TURNOVERS

  • 第4Q:DEマックがQBシーミアンをサックしてファンブルフォース。そのままマックがリカバー。SネルソンがWRノーウッドへのパスをINT。

PENALTIES

  • 反則は8回72ヤード。対するブロンコスは12回104ヤード。
  • 多少はホーム有利な判定もあったと思うが、先週からは立ち直れた。
  • 第1Q:なし
  • 第2Q:WRクラブツリーのフォルス・スタート。QBカーのディレー・オブ・ゲーム。LTペンのインエリジブル・ダウンフィールド・パス。CBキャリーのホールディング。
  • 第3Q:CBヘイデンのパスインターフェア。LBジェームズのホールディング。
  • 第4Q:LTペンのホールディング。LGオセメレのホールディング。

INJURIES

  • アクティブ登録を外れたのは、QBクック、CBスミス(肩)、CBマクドナルド、Tマキャンツ(ひざ)Gアレキサンダー(足首)、TEオマリー、DTマギー(足首)
  • Tワトソン(ふくらはぎ)が久し振りに試合に戻ってきた。先発はしなかったが、10スナップ(11%)をプレー。
  • CBスミス(肩)は "game-time decision" と報じられていたが、結局はインアクティブ。CBヘイデンは良さそうだが、CBキャリーは信用できない。来週はバイウィークなので、ゆっくり治してもらいたい。

 

 こんな大事な試合に限って生観戦できなかったんですが、とにかく勝ってくれて本当にうれしいです。これで今週は何があっても頑張れますね。

 Week 9を終えて7勝しているのは、1990年以降では4回目。1995年と2001年の7勝2敗、2000年の8勝1敗が過去3回です。このうち、1995年以外の2回はプレーオフ進出を果たしています。まだまだ浮かれていられないな、というのが私の感想です。

 以前からお伝えしている通り、今季は後半戦のスケジュールが厳しいですから、なかなか勝ち星の計算ができません。DEエドワーズやLBアルドン・スミスの復帰が起爆剤になってくれることを期待したいところ。

 来週はバイウィーク。その翌週は、メキシコシティテキサンズと対戦です。このゲーム、何故かレイダーズのホーム扱いなんですよね。ヒューストンの方が近いはずなんですけど。

 ただ、今季はホームで2勝2敗、ロードで5勝0敗ですし、QBカーのディレー癖を考えると、案外ホームゲームのメリットは少ないのかもしれません。何より "Raider" は「侵略者」という意味ですから、敵地に乗り込んで相手を打ち負かす方が、レイダーズらしいのかもしれません。

 何にせよ、シーズンのほぼ真ん中でバイウィークを与えられたわけなので、じっくり休養すると同時に、シーズン前半の反省をして、後半への準備を入念に行ってほしいですね。