2016 Midseason Review
今週はバイウィークなので、試合のレビュー記事を書く必要がありません。時間的な余裕もあることですし、前半のチームスタッツを振り返って、チームMVPの考察をしてみたいと思います。ざっくりと、ですが。
まずはチームスタッツの振り返りから。 2行目は数値、3行目は順位です。赤字は上位5位、青字は下位5位のスタッツです。
Points | Yards | 3rd Down | 4th Down | Red Zone (TD) | TDs |
---|---|---|---|---|---|
27.2 | 401.1 | 37.7% | 57.1% | 69.0% | 3.1 |
#5 | #5 | #21 | #10 | #3 | #8 |
得点もヤードもリーグ5位の好成績。QBカーが安定したパス攻撃を続けていて、Week 9のDEN戦のような圧倒的なラン攻撃もできます。3rd downの成功率は意外と低いです。ドライブを続けるというよりは、ビッグプレーを連発するのが今年のオフェンス。こういうオフェンスは崩れ始めると止まらない気がします。一方、Red zoneのTD率はリーグ5位。この決定力の高さが何よりの魅力でしょう。
Rush Play | Rushes | Rush Yards | Rush TDs |
---|---|---|---|
39.5% | 26.4 | 127.8 | 1.2 |
#18 | #12 | #4 | #4 |
ランプレーの回数はそれほど多くありませんが、ヤードもTD数もリーグ4位。これはOLのおかげでしょう。大きな穴を開けることができるため、ロングランが出たり、ゴール前のショートヤードをランで突破したりできます。
Pass Play | Completion | Passes | Pass Yards | Int Thrown | QB Sacked |
---|---|---|---|---|---|
60.5% | 66.1% | 39.3 | 273.3 | 0.9% | 3.0% |
#15 | #9 | #8 | #6 | #4 | #1 |
パス攻撃はどのスタッツも高水準。今年はINTが少なくなって安定性が増しました。これは3年目のQBカーの成長は勿論ですが、やはりOLの力が大きいです。ここまで被サック率はリーグ1位。パスプロテクションが崩壊しないので、相当やりやすいはず。
Points | Yards | 3rd Down | 4th Down | Red Zone (TD) | TDs |
---|---|---|---|---|---|
24.8 | 398.0 | 33.3% | 33.3% | 52.8% | 2.8 |
#21 | #28 | #3 | #7 | #11 | #20 |
ディフェンスは思ったほど悪くありませんが、それでも改善の余地は大きいです。毎試合400ヤード近く喪失していて、ほとんど相手を止められていません。ただ、喪失ヤードと比べれば失点は少ないです。これは3rd down, 4th downの成功率やRed zoneのTD率が示している通り、要所では良い守備を見せるからだと思われます。
Rush Play | Rushes | Rush Yards | Rush TDs |
---|---|---|---|
39.4% | 24.4 | 114.8 | 6.0 |
#15 | #10 | #21 | #18 |
ラン守備は良くも悪くもありません。1巡指名Sジョセフ、6巡指名LBジェームズ、ドラフト外DTレイサムといったルーキーや、シーズン途中から加入したLBライリーの活躍が光ります。LBスミスとSネルソンはもうちょっと頑張って。
Pass Play | Completion | Passes | Pass Yards | Int Thrown | QB Sacked |
---|---|---|---|---|---|
60.6% | 61.4% | 36.2 | 283.2 | 2.5% | 3.8% |
#18 | #9 | #17 | #30 | #11 | #30 |
今年も頭を抱えているのがパス守備。開幕当初よりはマシかもしれませんが、まだ喪失ヤードはリーグ30位。あっさりロングパスを通され過ぎている上、ホールディングやインターフェアも多いです。パスラッシュはDEマックやLBアービンが中心となっていますが、チーム全体としてはあまり良くありません。サック率はリーグ30位。宝の持ち腐れ以外の何でもありません。
FG | TO Margin | Giveaways | Takeaways | Penalties | Penalty Yards | TOP (not OT) |
---|---|---|---|---|---|---|
72.7 | +1.0 | 0.7 | 1.7 | 10.7 | 88.9 | 52.8% |
#29 | #3 | #2 | #8 | #32 | #32 | #6 |
FGの成功率はかなり悪いです。Kジャニコウスキーが調子を落とし始めています。TOのスタッツは文句なし。パス守備は上述の通り酷いですが、何故かINTもファンブルも多いです。QBカーのINTが減ったこともあって、TOという点では攻守が噛み合っています。一方、反則は歴史的な悪さ。Week 8のTB戦ではリーグ新記録の1試合23ペナルティを記録しました。反則回数も罰退ヤードもリーグ最下位というのは酷過ぎます。ここが改善すれば、オフェンスの効率はもっと良くなります。TOPはまずまず。Week 9のDEN戦のような、ラン主体の時間を使ったオフェンスを今後も展開してほしいです。
続いて、チームMVPの考察です。 考察というか、私なりのチームMVPの選定です。
Most Valuable Player: QB Derek Carr
(The Official Site of the Oakland Raiders)
これは異論はないでしょう。今年はリーグMVPの候補として名が挙がるほどの素晴らしい出来です。ここまでの成績は、2,505ヤード、17TD、3INT。このまま行けば、4,500ヤード、30TD、5INTと、超一流QB級の成績を残します。INTの少なさ、試合終盤の勝負強さが、今年の彼の魅力ではないでしょうか。Week 9のDEN戦では、TDパスこそ投じられなかったものの、INTを含めた大きなミスを犯さず、見事チームを勝利へ導きました。これこそが成長の証であり、彼がチームのMVPである理由です。
Offensive Player of the Year: QB Derek Carr
(The Official Site of the Oakland Raiders)
悩みどころですが、QBカーのダブル受賞としてみました。オフェンスはリーグトップクラスなので、対抗馬は数名います。1,500ヤードを達成しそうな相棒WRクーパー。1,000ヤードを達成しそうな"Mr. Reliable"ことWRクラブツリー。2試合を欠場しながら、リーグ5位の8TDランを記録しているRBマレー。いずれも攻撃MVPの候補ではありますが、QBカーのインパクトをかき消すほどではないと思います。
Defensive Player of the Year: DE Khalil Mack
(The Official Site of the Oakland Raiders)
開幕から5試合のサック数はたった1回。今年のパフォーマンスを心配する声が各所から聞こえてきました。それから1ヶ月。4試合連続サックを記録して、現在はリーグ8位の7サック。ここ2試合は連続して2サックを記録していて、まさしくオールプロの活躍です。目立ちはしないものの、ラン守備の貢献も大きく、今のレイダーズ守備には欠かせない選手です。地区優勝を果たせば、リーグの守備MVPもありうるのではないしょうか。
Rookie of the Year: S Karl Joseph
(The Official Site of the Oakland Raiders)
今年のドラフト1巡指名。膝の怪我のため、デビューはWeek 3のTEN戦からとなりましたが、それ以降はチームトップのタックル数を記録。それほど印象的なプレーが多いわけではありませんが、毎週のコンスタントな活躍は評価していいでしょう。まだまだパス守備には課題が残りますが、SSとして先発を続ける彼こそが新人王です。
Offensive Rookie of the Year: Jalen Richard
(The Official Site of the Oakland Raiders)
5巡指名RBワシントンという選択肢もありましたが、ドラフト外からチャンスを掴んだRBリチャードを選びました。開幕のNO戦では75ヤードのTDランという鮮烈なデビューを果たしました。リターナーとしても重宝しています。RBマレーを支えるRBとして、後半戦の活躍にも期待です。
Defensive Rookie of the Year: DT Darius Latham
(Silver And Black Pride)
こちらもドラフト外ルーキーからの選出です。193 cm, 141 kgの恵まれた体格を生かしたパワフルなプレーを見せてくれます。その上、高い技術を合わせ持っているのが良いんですよね。私はラン守備ばかり注目していましたが、パスラッシュの能力も高いです。もっと出場機会が増えてもいいのに……と考えてしまう活躍を続けています。
こうして見ると、オフェンスには大きな穴はありませんが、やはりパス守備が最大のウィークポイントとなっています。DEマックのエンジンがかかってきましたし、CBヘイデンにも改善の兆しが見られるので、後半戦はせめて平均的なレベルまで回復してほしいです。というか、そうならないと勝ち抜けません。
後半戦の他のポイントは2つあると思っています。1つ目は「健康を維持すること」です。開幕直後はRTの故障が続きましたし、最近の試合ではCBスミスが肩を負傷しました。DEエドワーズがIRから復帰しても、他の主力選手が離脱してしまえば何の意味もありません。選手やコーチ、スタッフには、細心の注意を払ってもらいたいです。
2つ目は「反則を減らすこと」です。もう不名誉な記録なんて見たくないんです。オフェンスのリズムを乱すような反則を連発したり、反則を重ねてゴール前まで攻め込まれたり、といったことをしていては、強豪チームには勝てません。これはチームの規律の問題。若いチームですが、何とかまとまってほしいです。
さて、来週はメキシコシティまで行ってHOUとの対戦です。標高2,000 mを超える場所での試合ですので、いつものようなプレーができるとは限りません。出来る限りの準備をして、勝利あるのみ!