2016 Week 17 Raiders 6 - 24 Broncos
勝てば14年振りの地区優勝。チームの大黒柱であるQBカーを欠いて臨んだ敵地でのDEN戦は、彼の存在の大きさを感じさせる一戦となりました。
オフェンスは良いところがほとんどありませんでした。QBマグロインには期待を大きく裏切られ、前回は上手くいったランも全く出せず。途中から出場したQBクックがWRクーパーへTDパスを投じたものの、パントやターンオーバーだらけの、見所のないオフェンスでした。
その影響を受けたのか、ディフェンスも低調な状態から抜け出せず。パスラッシュはかからず、パスをあっさり通され、ランでもパスでもタックルをミスしまくる。上手くいかずイライラしたのか、不要な反則が何度も見られました。
終わってみれば、今シーズン最小の6得点しか挙げられず、18点差で敗戦。そして、KCが勝利したため、最後の最後で地区優勝を逃してしまいました。第5シードまで落ちて、プレーオフにはワイルドカードからの出場となります。
そのプレーオフ初戦は、メキシコゲームを戦ったHOUとの対決です。あの試合では逆転勝利を収めましたが、今週の試合を見る限りでは、勝てそうな気配が全くありません。クックが大舞台で実力を発揮することに賭けるしかないでしょう。
一番心配なのは、チームの精神状態です。この試合では、攻守ともに覇気が感じられませんでした。負けてしまえば地区優勝できない可能性が高いというのに、まるで消化試合かのようなプレーに思えました。カーという絶対的なチームリーダーを失ったことが、想像以上に大きな影響を与えています。
カーを失ったからこそ、彼をスーパーボウルまで連れていくという気持ちで、一丸となって頑張ってほしいんですけどね。選手やコーチも分かってはいるんでしょうが、そう簡単に割り切れるものではないのかもしれません。
何にせよ、14年振りのプレーオフですから、いきなり敗れてシーズンエンドなんてのは御免です。「カーがいなかったから負けた」なんて言い訳もしたくありませんし、精神的にも技術的にも戦術的にも、きっちり修正してほしいと思います。
Key Plays
第1Q
- (10:22)RBブッカーの11ヤードTDラン
第2Q
- (14:25)RBフォーセットの64ヤードラン
- (11:33)Kマクマナスの22ヤードFG
- (6:31)WRクラブツリーへのパス失敗。DEクリックのラフィングザパサー。QBマグロインが左肩を負傷
- (1:54)RBブッカーへの43ヤードTDパス
第3Q
- (14:22)RBワシントンの20ヤードラン
- (13:07)OLBレイのサックを受けてQBクックがファンブル。DEゴットシスがリカバー
- (10:59)WRレイモンドへの33ヤードパス。チャレンジの結果、判定が覆ってパス失敗
- (8:19)TEグリーンへの2ヤードTDパス
- (3:19)WRクーパーへの32ヤードTDパス。2ptを狙うも、WRクーパーへのパス失敗
- (3:05)WRラティマーへのパスをSトラウィックがINT
第4Q
- (14:53)OLBミラーのタックルを受けてWRホルトンがファンブル。ILBネルソンがリカバー
- (13:26)Kマクマナスが48ヤードFGを失敗
- (6:15)TEリベラへのパスをSシモンズがINT
Statistics
Passing
- QBマグロインは、パス11回中6回成功、21ヤード、0TD、0INTで、レーティング60.0。
- 約3年振りの先発となったマグロインだが、周囲の期待を大きく裏切る最悪のパフォーマンス。ワイドオープンだったWRクーパーへのパスをオーバースロー。通っていればTDだった。プレッシャーがかかっていない場面でもコントロールが乱れっぱなし。最長でも12ヤードのパスしか通せず、とにかく酷いの一言だった。
- 第2Q中盤、DEクリックのヒットを受けて左肩を負傷。そのドライブはプレーしたが、次のドライブからはサイドラインへ下がった。
- QBクックは、パス21回中14回成功、150ヤード、1TD、1INTで、レーティング83.4。
- 負傷したマグロインと交代して、まさかのプロデビューを迎えた。注目のファーストプレーはクーパーへの5ヤードパス。クーパーには32ヤードのTDも通して、マグロインよりは良いところを見せた。
- 一方、新人らしいプレーも多かった。サックを2回受けて2回ともファンブル、TEリベラへのパスをオーバースローしてINT、WRホームズへのパスをカットされてINTされかける、など。
Rushing
- チームラッシングは、ラン16回57ヤード(平均3.6)。前回の対戦では200ヤード超えしていたが、今回はシャットアウトされた。
- RBワシントンは、ラン7回43ヤード(平均6.1)。後半最初のドライブでは20ヤードのランを出して、この試合のランプレーでは唯一の好プレーを作った。
- RBマレーは、ラン5回11ヤード(平均2.2)。全く良いところがなかった。走った回数が少な過ぎて、リズムを作れないまま、試合が終わったともいえる。
- マレー、ワシントン、RBリシャードの3人は15回しか走らず、しかも1回しかタックルをかわせず。この試合ではランブロッキングも悪かったが、QBカーのいないオフェンスを支えることができなかった責任は大きい。
Receiving
- WRクーパーは、レシーブ4回39ヤード(平均9.8)、1TD。この試合唯一の得点となった32ヤードTDレシーブは見事だった。CBハリスとのマッチアップを制してパスキャッチ。CBタリブのヒットを受けながらも、パイロンへボールを当てた。
- WRクラブツリーは、レシーブ5回47ヤード(平均9.4)。今シーズンはチームトップの89レシーブを記録。クーパーと並ぶレシーブ1,000ヤードも達成した。クーパーとのコンビはリーグ最高といっていいだろう。
- WRホルトンは、ターゲットには1回なったが、レシーブはゼロ。十八番のリバースが1回あったが、7ヤードロスした挙げ句、ファンブルロスト。
Offensive Line
- 先発は、LTペン、LGオセメレ、Cハドソン、RGジャクソン、RTワトソン。
- 許したサックは2回。1回目はG/TアレキサンダーがOLBレイを、2回目はワトソンがOLBワトソンを漏らした。パスプロテクションは悪くなかった。
- この試合では、ランブロッキングが全く機能しなかった。走路を切り拓けたプレーがほとんど見られず、前回のDEN戦とは打って変わって封じ込まれた。
Defense
- 先発DLは、DEオートリー、DTレイサム、NTウィリアムス、DEマック。
- 先発LBは、SLBアービン、MLBライリー、WLBスミス。
- 先発DBは、LCBアマーソン、RCBスミス、FSネルソン、SSアレン。
Pass Defense
- 相手はQBシミアン。パス27回中17回成功、206ヤード、2TD、1INTで、レーティング95.6。
- パスラッシュが上手くかけられなかった。DEマックはヒット1回とハリー2回、LBアービンもヒット2回しか記録できず。サックはゼロ、チーム全体でもプレッシャーは7回しか与えられなかった。
- カバレッジ云々よりも、酷かったのはDB陣のタックル。何度も何度もミスをして、余計なゲインを許し続けた。3回もタックルミスを犯したCBアマーソンは最大の戦犯といえる。
- 守備側の反則も多かった。イライラが募って空回りした結果だろう。こちらでもアマーソンはフェイスマスクとパスインターフェランスを犯している。
- 先発したSアレンが負傷して、ST要員のSトラウィックが交代。キャリア初のINTを記録して、急きょ出場したわりには頑張っていた。
Run Defense
- チームラッシングは、ラン40回143ヤード(平均3.6)、1TD。
- この試合のリーディングラッシャーとなったRBフォーセットは、ラン22回90ヤード。だが、このうち21回では合計26ヤードしか走られておらず、第2Qの64ヤードランが大きかった。CBキャリー、DBマギルがタックルミスを犯したのが何より痛かった。
- RBブッカーには11ヤードTDランを許したが、このカバーも酷かった。Sアレンのカバーが遅く、誰もいないオフタックルをあっさり走られた。
Special Teams
- Pキングは、8回452ヤード(平均56.5)。2回のタッチバックを含めて、5回のインサイド20を記録。攻守とも機能しない中、孤軍奮闘していた。
- Kジャニコウスキーは、FGもPATも蹴る機会がなかった。この試合の仕事は、2回のキックオフを蹴るだけだった。
- カバレッジは、パントが4回50ヤード、キックオフが2回24ヤード。WRレイモンドの25ヤードパントリターン以外は良好だった。
Injuries
- アクティブ登録を外れたのは、QBカー(足首)、CBハミルトン、Sジョセフ(足指)、Tハワード(肩)、Gカークランド、DTマギー(鼠蹊部)、DEジャクソン。
- 先週の試合で腓骨を骨折したカーは、手術を済ませて復帰へ向けて動き始めた。早ければ6週間程度で復帰できる見込みで、チームがスーパーボウルまで勝ち進んだ場合、出場する可能性もないわけではない。
- QBマグロインはDEクリックのヒットを受けて左肩を負傷。予想以上に症状が重いようで、来週のHOU戦にはQBクックが先発するとみられている。
- Sアレンは脳震盪プロトコルの真っ最中。幸いにもジョセフが回復してきていて、万全ではないものの、来週のHOU戦に先発する予定。