2016年ドラフト2日目:狙いは一体?2巡連続DEを指名
ドラフト2日目は2巡目、3巡目の指名が行われました。昨日、WVUのSカール・ジョセフを指名したレイダーズは、2巡連続DEの指名に踏み切りました。
Round | Pick | Player | Pos. | Ht. | Wt. | College |
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2 | 44 | Jihad Ward | DE | 196 cm | 135 kg | Illinois |
3 | 75 | Shilique Calhoun | DE | 193 cm | 114 kg | Michigan St. |
2巡目はILLのDEジハド・ウォードが指名されました。身長は196センチ、体重は135キロです。ジュニアカレッジを卒業しており、その間、WR/SからDLに転向しました。そのため、まだまだDLとしては経験不足ですが、体格に恵まれており、その可能性は無限大です。
ILLでの1年目は、51 Tkl、8.5 TFL、3 Sk、4 FRを記録し、コーチによる投票で、オール・ビッグテンの選外特別選手に挙げられました。インサイド、アウトサイドのいずれでもプレイでき、長い腕でボールキャリアの横の動きを封じ込める姿が高く評価されたようです。
シニアとなった2年目は、わずか3.5 TFL、1.5 Skと低調な成績に終わったものの、力強いプレイは健在で、2年連続で選外特別選手の栄誉を受けました。
196センチの高身長に加え、腕も長く、それでいてクイックネスを兼ね備えており、身体能力は高いようです。前述の通り、まだDLとしての経験は浅いものの、その分伸びしろは大きく、これからが楽しみな、粗削りなプロスペクトです。
ちなみに、ジハドという名前は、彼のお母さんが子供時代の同級生にちなんで名付けたそう。彼女は17歳のときにジハドを生んでおり、彼が大学時代に背番号17をつけていたのは、そのためとのこと。
3巡目はMSUのDEシリーク・カルフーンが指名されました。身長は193センチ、体重は114キロです。大学時代に一度でもオール・アメリカンに選出される選手はそう多くありません。二度の選出ともなると尚更です。そんな中、カルフーンは3年連続でオール・アメリカンに選出され、ビッグテン・カンファレンスの優勝を目指すMSUの中心選手として活躍しました。
赤シャツ時代を経て迎えた1年目、彼は14 TFL、7.5 Sk、4 FR、1 INTを記録し、ビッグテンの最優秀DL賞を受賞した他、オール・ビッグテン1軍、オール・アメリカン2軍に複数のメディアから選出されました。
2年目は先発出場が増え、チームのキャプテンとして周囲を引っ張る存在になります。1年目の成績から期待されて迎えたシーズンでしたが、見事にその期待に応え、39 Tkl、12.5 TFL、8 Skと、前年を上回る活躍を見せました。
その後、NFL入りすると見られていましたが、ビッグテン・カンファレンスの優勝と全米王者を目標に定め、大学に残留することを決めました。結果的には、プレイオフでALAに敗れ、全米王者にはなれなかったものの、カルフーンの14.5 TFL、10.5 Skというキャリアハイの活躍もあり、MSUはカンファレンス優勝を成し遂げています。
大学でのキャリア通算で27 Sk、44 TFLを記録しており、ウォードとは異なり、洗練されたパスラッシャーと言えます。パスラッシャーとしては爆発力がありますが、ラン守備に関しては評価が分かれています。また、エンクローチメントの反則を9回も犯しており、反則が多い可能性も否めません。ただ、頼りになるエッジプレイヤーであることは間違いありません。
2013年と2015年には、大学アメフト界で最も優れたDEに贈られる、テッド・ヘンドリクス賞の最終候補者に選ばれています。
余談ですが、MSUでは刑事裁判の学位を取得しており、将来的には法執行機関でキャリアを積んでいくことになるかもしれないそうです。
1巡目は最大のニーズであったSを指名し、2巡目は残されたニーズである、ILBやRBの指名をするものと思っていましたが、2巡連続でDLを指名するという、これまた少し驚きの展開となりました。鉄壁のOLを構築し、QBカーを守る布陣を整えた一方で、圧倒的な破壊力を持つDLを揃え、相手QBを叩きのめす準備を進めるというのは、なかなか面白い戦略だと思います。