Raider Island

ラスベガス・レイダーズのファンブログです。

今月のトランザクション:DTウィリアムスの解雇、RBリンチの獲得など

 こんにちは。レイダー島です。

 本当はRBリンチを獲得した時点でブログを書きたかったのですが、なかなか時間がとれず、ドラフトまで終わってしまいました。今更リンチのことを書いても仕方がないので、今月の大きなトランザクションをざっくりとまとめておきます。

DTダン・ウィリアムスを解雇

 4月18日、DTダン・ウィリアムスが解雇されました。2010年のカーディナルスの1巡指名であるウィリアムスは、5年間アリゾナで過ごしたあと、レイダーズと4年契約を結びました。契約は総額$25M($15.2M保証)でしたが、この半分を終えた段階で解雇となりました。なお、2017年のキャップヒット$4.5Mは、そのままキャップスペースに追加されます。

 アリゾナ時代と同様、オークランドでもDTの中核としての役割を期待されていたウィリアムス。この2年間で32試合すべてに出場し、うち26試合で先発を果たしました。しかし、昨年の先発数は2015年の15試合から11試合に減少し、キャリア最低の17タックルにとどまるなど、昨年は期待外れのシーズンを送りました。

 にもかかわらず、PFFからは高評価を受けています。規定に到達した127人のDIの中で44位と高順位に位置付けられている上、0.5サックしか記録していないのに、パスラッシュでは高いグレードをつけられています。一方、ランストップが2015年から激減した、という評価もPFFから受けています。

 昨オフのキャンプには全く身体を絞れていない状態で現れ、自己管理能力の低さが露呈したウィリアムス。それでも結果を残せれば違ったのでしょうが、昨年のパフォーマンスは期待を裏切るものでしたから、今回の判断は妥当だと思います。

 

DEカリル・マックのオプションを行使

 4月20日、DEカリル・マックの5年目オプションが行使されました。ただし、このオプションが履行されることはないでしょう。来オフには契約延長が行われるはずです。一躍スーパースターとなったマックをレイダーズが手放すことはありませんし、マック自身がオークランド残留を望んでいるとも言われていますから。

 昨年は2年連続プロボウル&オールプロ選出を果たし、73タックル、11サックの成績を残しました。PFFのグレードは93.9を記録し、ボン・ミラーやチャンドラー・ジョーンズなど、並みいる選手たちを押さえて、最高のEDという評価を受けています。

 今回のオプション行使は、あくまでも長期契約までの「つなぎ」でしょう。それよりも重要なのは、QBデレック・カーとの契約延長を締結させることです。Gゲイブ・ジャクソンとも契約の意志があるようですし、近い将来WRクーパーとの契約もやってくるでしょうし、マッケンジーGMには上手く遣り繰りしてもらいたいものです。

 

RBマーショーン・リンチを獲得

 4月26日、RBマーショーン・リンチと2年契約を結び、シーホークスとトレードを行いました。トレードは2018年のドラフト指名権の交換でした。レイダーズからは5巡、シーホークスからは6巡が譲渡されています。そして、フィジカル・テストの末、晴れてリンチがレイダーズの一員となりました。

 リンチを狙っている、という噂が流れてから随分立ちますが、決してスムーズに事が運んだわけではありません。特に契約締結の誤報が流れて以降、なかなか正式な契約には至りませんでした。ドラフトが近付き、マッケンジーGMも「ドラフトがデッドラインだ」ということを示唆していましたから、この件は流れてしまうのではないか?という不安もありました。しかし、ドラフト前日、まさしく滑り込みセーフで契約することができました。

 契約は正直お高いもので、2年総額900万ドル、235万ドル保証です。2017年は、ベースサラリー135万ドル、ロスターボーナス100万ドル、ワークアウトボーナス15万ドルを受け取り、合計250万ドルがキャップヒットとなります。保証額235万ドルは、2017年のベースサラリーとロスターボーナスの合計で、これがデッドマネーの対象です。その他、1試合あたりのアクティブボーナス3万1,250ドル(合計50万ドル)、インセンティブとして、SB MVPの場合50万ドル、9TDを記録した場合25万ドル、500ヤードを記録した場合40万ドルが支払われる予定です。

 ボーナスやインセンティブが多いところは普段通りですが、当初の報道とは異なる部分も多くなっています。ドラフト前日の契約のため、情報が錯綜していたのでしょう。契約的には、結果を残せば何の問題もありませんし、ダメだったとしても金銭的なダメージを低く抑えられるので、比較的上手くやったと思います(※契約詳細は2017年5月1日の追記です)

 過去の実績は申し分ありませんが、やはり不安は拭いきれません。キャリア通算のキャリー数は2,100回を超えていて、身体の消耗は相当なものでしょう。怪我の影響で7試合の出場にとどまった2015年は、111キャリーで平均3.8ヤードという物足りない成績に終わっています。その前年の2014年は、平均4.7ヤード、キャリアハイの13TDを記録しており、故障が完治して、この水準までパフォーマンスが回復するようなことがあれば、これほど頼もしいことはありません。

 実際のところ、リンチがどこまでやれるのかは我々には全く分かりません。数か月後のプレシーズンで動きを見ないことには、何とも判断がつきません。ただ、オークランドで優勝したいという意志は、現地のファンに届いたことでしょう。リンチが彼らの期待に応えられるのか。大きく関心を向けられるシーズンです。