Raider Island

ラスベガス・レイダーズのファンブログです。

NFLがレイダーズのラスベガス移転を承認

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 ラスベガス移転、承認

 ネバダ州ラスベガスへの移転。レイダーズのこの提案が、NFLのオーナーたちの投票で承認されました。レイダーズがオークランドを離れ、ラスベガスに向かうために必要な賛成票は、全オーナー数の75%にあたる24票。注目の投票結果は、31対1で賛成派の圧勝。反対票を投じたのは、ドルフィンズのオーナー唯一人でした。

 オークランドのファンには、これ以上ないほど胸の痛い一日だったでしょう。オークランド・レイダーズというチームが誕生したのは、57年前の1960年。NFLの前身組織のひとつである、アメリカン・フットボール・リーグ(AFL)の一員として発足しました。22年後の1982年、レイダーズはオークランドを離れ、ロサンゼルスに移転しました。移転2年目にはスーパーボウルを制覇し、順調な滑り出しを見せたものの、わずか13年後の1995年、レイダーズは地元オークランドに戻ってきました。そして、今。22年の時を経て、再びオークランドを離れることが決まったのです。

 オークランド・コロシアムを共用するMLBアスレティックスと比べれば、オークランド市のレイダーズを残留させたいという気持ちが強かったとは、私は思いません。それでも、懸命な努力を続けてくれたと思っています。オークランド市長のリビー・シャーフ氏は、最後の最後までオークランドの魅力を伝え続けたことでしょう。しかし、現実的な解決策を示すことはできませんでした。一方、ラスベガスでは7億5,000万ドルの公的融資が承認され、新スタジアム建設費という最重要事項に具体的なプランを提示してみせました。市場規模を考えれば、ベイエリアに属するオークランドに軍配が上がるかもしれません。それでも、たとえラスベガスが「カジノの聖地」であっても、NFLには今回の選択しか残されていなかったのです。

 オークランドのファンの唯一の救いは、レイダーズがすぐにオークランドを去るわけではない、ということでしょう。ロサンゼルスとは違い、これまでラスベガスにはNFLのチームが存在しなかったため、新スタジアムを建設しないことには代替スタジアムがありません。19億ドルをかけて建設される、65,000人を収容するドーム型スタジアムは、2020年の完成を予定しています。つまり、今後3年間はラスベガスに移転できないということです。来たる2017年はオークランドをホームとしますし、翌18年もオークランド・コロシアムとのリース契約を行使することができます。

 問題なのは、2019年。1年間だけオークランドとの契約を延長するのか。49ersとリーバイス・スタジアムを共用するのか。一時移転先として挙がっていたサンアントニオを利用するのか。あるいは、ネバダ大学ラスベガス校(UNLV)のサムボイド・スタジアムを間借りするのか。様々な噂が飛び交っています。この「2019年問題」は、当面の大きな課題といえるでしょう。

 

投票を終えてのコメント

マーク・デービス氏

 父はいつも「レイダーズの偉大さは未来に存在する」と言っていた。世界のエンターテインメントの中心地に、ワールドクラスのスタジアムを建設する機会を得たことは、偉大なるレイダーズを実現するための有意義な一歩だ。コミッショナーのグッデル氏、ナショナル・フットボール・リーグ、31人のオーナーに感謝したい。また、ネバダ州知事のブライアン・サンドバル氏、ネバダ州議会にも、その協力に感謝したい。最後に、シェルドン・アデルソン氏には、そのビジョンとリーダーシップに感謝したい。それがなければ、今回のプロジェクトは現実にはならなかっただろう。

 レイダーズはオークランドで生まれた。オークランドはいつまでも我々のDNAの一部だ。失望し、怒ってさえいるファンがいることは分かっている。だが、選手、コーチ、スタッフに、その憤りを向けないでほしい。2017年と18年はオークランド・コロシアムで試合を行う予定だ。新たなスタジアムがオープンするまで、我々はオークランド・レイダーズとして試合を行いたい。ベイエリアにチャンピオンシップを持ち帰ることが我々の最大の目標だ。(原文はコチラ

 

QBデレック・カー

 ここに座って、レイダーズのラスベガス移転を承認する投票を見ていたから、もう胸がいっぱいだ。どう感じるべきなのか、よく分からない。オークランドのファンの痛みを感じる。でも、ラスベガスで待つ新たなファンの、喜びに満ちた顔も見える。選手として、持てるものを全て発揮するつもりだ。レイダーネーションにチャンピオンシップを持ち帰るために、全力を尽くすつもりだ。僕はカリフォルニアの出身で、ずっとオークランドでプレーすることを望んでいたけど、NFLのビジネス面も理解している。僕ら皆に関わることだ。オークランドの皆。レイダーズも、僕も、僕の家族も、皆のことが大好きだ!皆で元気にいこう。皆で一緒にいよう。それこそがレイダーズのあるべき姿だ。どんなに辛くても、誠意をもって。タフなときこそ、一緒に踏ん張って。さあ、ラスベガスの皆。僕らはオークランドの精神を持って行くよ。タフで、誠意ある、競争心の強いファンとチームになっていくんだ。その時が来たら、準備ができていると嬉しい。まずは、2017年。オークランドで全力を尽くすよ。神のお恵みがありますように。行け、レイダーズ!(原文はコチラ

 

一ファンとして

 私は、日本生まれの日本育ち。オークランドやカリフォルニアには、縁も所縁もありません。でも、レイダーズがオークランドを離れてしまうのは、何故か寂しいんです。サンフランシスコの対岸なのに、めちゃくちゃ治安が悪くて、日本での知名度は高くない。オークランドといえば、多分ニュージーランドの方が有名です。でも、そんなオークランドこそ、レイダーズのホームにはふさわしいと強く思います。

 昨年はラムズがロサンゼルスに移転し、今年はチャージャーズがその後を追います。両チームのファンは、レイダーズファンの気持ちを一足早く味わいました。いえ、彼らの悲しみは、レイダーズファン以上だったでしょう。移転が決まった後、チームはすぐに新天地に旅立ってしまったのですから。

惜しむらくは、San Diego Chargersを現地で応援することができなかったということ。冗談抜きで、来年現地観戦しようと準備を始めていました。いつまでもそこにチームがあるとは思ってはいけませんね。本当に残念です。

移転に際して | 充電戦隊アチャージャー

 有名なチャージャーズのファンブログ「充電戦隊アチャージャー(旧いちたす にたす さんでぃえご)」さんより、引用させていただきました(問題があれば、削除いたします)。「いつまでもそこにチームがあると思ってはいけ」ない。その通りだと思います。そして、今。レイダーズのファンには、タイムリミットが提示されました。

 一ファンとして。オークランドで試合を行うレイダーズの姿を、この目に焼き付けておかなければいけない。そんな思いが沸き上がってきました。残された時間は、おそらく2年間でしょう。なんとかしてオークランドでの現地観戦を成し遂げたいと思います。

 移転が承認されても、レイダーズはまだ「オークランド・レイダーズ」です。オークランドでの雄姿を最後まで見届け、「ラスベガス・レイダーズ」を気持ち良く応援したいと思います。