Raider Island

ラスベガス・レイダーズのファンブログです。

ガードのケレチ・オセメレと契約へ

 レイダーズは、レイブンズからFAとなる、オフェンスラインのケレチ・オセメレとの5年契約に基本合意し、FA市場におけるトップターゲットを射止めることに成功しました。

 関係者によると、レイダーズとオセメレは、FA解禁日の前日である現地火曜日に契約に合意。まだ正式な契約には至っていませんが、年俸総額は$60Mに達する見込みです。

 オセメレは、その力強いプレイもさることながら、ポジションの融通が利くということで、FA市場におけるトップクラスのOLの一人と考えられていました。彼は昨季、レイブンズでガードとタックルの両ポジションでプレイ。レイダーズでも、両方のポジションで役割を果たすことができると見られています。レイダーズは昨季RGを務めたジャマーカス・ウェッブからRGのグレードアップを画策しており、また、LTのドナルド・ペンがFAとなって流出した場合でも、オセメレがその穴を埋めることが可能です。

 オセメレはアイオワ州立大の出身で、2012年のドラフト2巡でレイブンズから指名され、NFL入りしました。ルーキーとして16試合全てに先発し、レイブンズのSB制覇に貢献しました。2013年は背中の故障で7試合しか出場できませんでしたが、過去2シーズンで28試合に先発し、2015年の最後の4試合では、LTとしてもプレイしています。

 プロ・フットボール・フォーカスによると、オセメレは過去2シーズンでわずか2サックしか許しておらず、昨季Gとして10試合しか出場していないにもかかわらず、リーグ5位のラン・ブロッキングGとの評価を受けています。

 レジー・マッケンジーGMは、2012年にレイダーズのGMに就任して以降、OLに大金を投じるという傾向があり、今回のオセメレとの契約も、それに倣ったものと考えられます。過去2年間で彼が結んだFAとの大型契約といえば、2014年のG兼Tのオースティン・ハワードと、昨年のセンターのロドニー・ハドソンとの契約が思い出されます。

 オセメレ、ペン、ハワード、ハドソン、そして2014年のドラフト3巡で指名したLGのゲイブ・ジャクソンという強力なOLのユニットは、きっと3年目を迎えるクォーターバック、デレック・カーを守り抜いてくれることでしょう。実際、過去2シーズンでレイダーズが許した61サックというのは、リーグ6位という好記録です。

 レイダーズとしては、オセメレの加入がラン攻撃の改善に繋がることにも期待していることでしょう。2015年のラン獲得ヤードは、1試合平均91.1ヤードでしかなく、これはリーグ28位というふがいない数字です。この状況を打破するため、レイダーズはラタビアス・マレーのペアとなるランニングバックをFAで獲得するだろうと見られています。マレーは昨季、1066ヤードを走りました。ちなみに、彼に次ぐラッシングヤードを記録したレイダーズのRBは、フルバックのジェイミス・オラワレ。といっても、彼の獲得ヤードはたったの110ヤードに過ぎません。

 さて、レイダーズがFAによる補強を必要とする何よりのポジションは、やはりディフェンスバックです。惜しまれつつも引退したセイフティ、チャールズ・ウッドソンの代わりとなる選手と、昨季急成長を見せたコーナーバック、デビット・アマーソンのペアとなる先発CBの獲得が急務というのが、大方の見方です。さらに、パスラッシャーとミドル・ラインバッカーの補強も行うだろうと予想されています(※パスラッシャーとして、シーホークスからFAとなるブルース・アービンとの契約にも基本合意したようですが、これについては別途記事を投稿する予定です)。

 マッケンジーGMの下、最初の3年間では11勝しかできなかったレイダーズですが、ジャック・デルリオHCが指揮をとって1年目の昨季は、7勝9敗と大きく白星を増やしました。カー、パスラッシャーのカリル・マック、レシーバーのアマリ・クーパーといった、素晴らしい若手選手の活躍次第では、2016年のレイダーズはAFC西地区の台風の目となれる、いや、地区優勝も夢ではないでしょう。

 

 OLはキッカーやパンター以上に目立たない存在ですが、昨季のPOでも明らかだったように、OLがQBを守れるかどうかが、昨今のパス攻撃主体のNFLにおいては極めて重要になります。昨年獲得したCのハドソンは、昨季、やや怪我に苦しむシーズンとなってしまいました。新加入のオセメレには、まず1年を通して健康に過ごしてほしいと思っています。