Raider Island

ラスベガス・レイダーズのファンブログです。

カリル・マック?ボン・ミラー?それとも?

Who is the best edge rusher in the AFC West?

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 今年3年目を迎えるカリル・マックは、同一シーズンに2つのポジション(OLBとDE)でオール・プロに選出された史上初の選手となり、NFLの歴史にその名を刻みました。一方、同じAFC西地区に属するブロンコスには、文句なしのSBMVPを獲得したボン・ミラーがいます。

 さて、今オフは「マックとミラーのどちらが上か?」という議論がしきりに交わされてきました。トレーニングキャンプが徐々に迫ってきましたが、今回はこの話題を取り上げたいと思います。

 ですが、AFC西地区の強力エッジラッシャーはマックとミラーだけではありません。チーフスにはミラーと同期のジャスティン・ヒューストンがいますし、チャージャーズには今ドラフト全体3位指名のジョーイ・ボサがいます(まだ契約していませんが)。

 そこで、マックとミラーの2人を比較するのではなく、AFC西地区の各チームのエッジラッシャーについて色々と書いていこうと思います。

 

ボン・ミラー(デンバー・ブロンコス

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 1年目から15試合に出場し11.5サックを記録した怪物。2年目には16試合の出場で18.5サックをマークし、デビューから2年間で合計30サックの成績を残しました。3年目には薬物乱用規定違反により6試合の出場停止処分を受け、さらには12月に右膝のACLを断裂するという残念なシーズンを送りましたが、翌年に復活。昨年はレギュラーシーズンの成績は11サックにとどまったものの、ポストシーズンでは超人的な活躍を見せ、SBMVPを獲得しました。これまで5年間NFLでプレーし、合計60サックを記録しています。

 試合の流れを一気に変えてしまう力を持っていることは、昨年のSBで証明した通りです。チームが勝利するために必要なことを理解してプレーしているように感じます。まだ27歳と若く、さらなる成長も期待できます。

 意外なことに、20サックを記録したシーズンはありません。フルシーズンをプレーした場合は10サックを下回ったことはなく、平均で12サックを記録しているため、シーズンごとの安定感を比較的高いように思えます。

 ただ、私としては、試合ごとのムラは大きいという印象があります。SBのように相手を圧倒する試合もあれば、あまり存在感のない試合もあるというか。当たり前と言えば当たり前ですが、ミラーは特にそれが激しいように思えます。

 

ジャスティン・ヒューストン(カンザスシティ・チーフス

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 豊作と名高い2011年ドラフトにて指名された、ボン・ミラーと同期のエッジラッシャー。しかし、指名されたのは3巡目。全体70位と、当時の評価は今ほど高くありませんでした。

 1年目は16試合の出場で5.5サックとミラーに及ばないものの、その後2年連続で10サック以上をマーク。さらに4年目の2014年には22サックを記録し、あのJ.J. ワットを抑えてリーグ最多サックの栄光を手にしています。しかし、昨年の第12週、ビルズとの試合で膝を故障。プレーオフには出場しましたが、膝の状態は思わしくなかったらしく、オフに手術を決断。開幕はPUPで迎え、少なくとも第1週は欠場すると見られています。

 今回紹介する4人の中では、唯一20サックを記録している選手です。ドラフト時の評価よりも遥かに良い活躍をしており、しかも年々大きく成長している印象が強いです。しかし、今年の活躍をマックやミラーと比較するのは難しいというのが本音です。彼が膝の故障からどこまで復帰できるかは全く不透明ですからね。

 

カリル・マック(オークランド・レイダーズ

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 我らがレイダーズの誇る最強のエッジラッシャー。昨年、ブロンコス相手に1試合5サックという驚異的なパフォーマンスを見せ、チームを逆転勝利に導きました。

 1年目は16試合に出場しながらも4サックに終わりましたが、昨年は上述の5サック・ゲームも含め、15サックを記録しました。プロ入り後2年間のサック数は19サックと、ミラーの30サックには見劣りしますが、素晴らしい成績を残しています。

 2002年以来の勝ち越し、さらにはプレーオフ進出を狙うレイダーズとしては、マックの活躍が大きな鍵となります。しかし、NFL.comの発表するTOP 100 Players of 2016で昨年の49位から13位まで急上昇したことからも分かりますが、今年は対戦チームから綿密に研究されることになるでしょう。ダブルチームで対応されることもあると思います。

 ただ、マックはまだ25歳。エッジラッシャーは2年目から3年目にかけて大きく成長するという説もあります。さらに、これはツイッターでも書いたのですが、マックの良さは決してパスラッシュだけではありません。ランディフェンスの能力も間違いなくリーグトップクラスです。今年はFAで前SEAのブルース・アービンを補強し、ドラフトでも2巡3巡と連続してDEを指名しており、パスラッシャーとしてのマックの負担を軽減することは可能です。仮にマックのラッシュが止められたとしても、他のメンバーがQBにプレッシャーをかけることが出来ますし、彼はランを止めてくれればそれで構わないのです。勿論、マックが大活躍して20サックを記録してくれれば嬉しいんですけどね。

 

ジョーイ・ボサ(サンディエゴ・チャージャーズ

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 今ドラフト全体3位で指名された逸材。彼にかかる期待の大きさが窺えますが、何よりの問題はまだ契約に至っていないこと。正直、ドラフトされること自体がありがたいことなんだから、それに感謝してさっさと契約して、1年目からしっかり活躍する準備をした方がいいよ、とは思っていますが、こればかりは先が読めません。

 OSU時代には、3年間で38試合に出場し、合計26サックを記録しています。フレッシュマン時代には、フレッシュマンのオール・アメリカンとオール・ビッグ・テンのファーストチームに選出。ソフォモア時代には、ビッグ・テンのディフェンスMVPを受賞し、オール・アメリカンとオール・ビッグ・テンのファーストチームに選出されるなど、輝かしい実績を残しています。

 結局は契約するのだろうとは思いますが、入団前から揉めているような選手が活躍できるかと言われると、少し疑問視してしまいます。実力は本物のようですので、チームにフィットすれば、上記の3人と比較される選手になっていくのでしょう。

 

 色々と書いてきましたが、結局のところ

   全員、今年も良いシーズンを送る

としか言えません。実力は折り紙付きですから、健康でさえあれば、間違いなく対戦したくない選手たちなのです。ですが、贔屓目があることを認めつつ、それでも最も優れた働きをするのは

   カリル・マック

だと主張したいです。あの身体能力、基本に忠実なプレー、ボールへの執着心は感嘆するしかありません。まだまだ成長も期待できますし、何より彼の活躍なしに、レイダーズの躍進はありえないのです。

 

 FAでもドラフトでも、パスラッシャーばかり獲得したことには疑問の声も聞かれますし、私も同じ思いが多少なりともあります。しかし、これは昨年のSBのブロンコスのように

   攻めの守備で点をもぎ取る

ためのチーム作りだと、ポジティブに考えましょう。とにかく攻撃的なスタイルを貫く。それがO#かD#かは関係ないのです。それこそがレイダーズなのです。

 

 まあ、無理矢理な理由付けと言われれば、それまでなんですけどね。